第三章
真っ先に青年の元へ駆け寄ったディディーは、物珍しそうにじろじろと眺めながら。
「なー、お前誰?」
訪問者に対し、敬意を払わないこの態度。
しかし青年は気にする様子もなく、懐から白いタクトを取り出すとくすっと笑って。
「魔法使い」
嘘に決まっている。
色黒で、白髪で。赤黒い瞳に何となく寒気を覚えたディディーは思わず身震いすると、そんなはずはないとビシッと指差して。
「さては敵性宇宙人だな!?」
「阿呆か」
すかさず突っ込み、ディディーの頭を後ろから叩いたのはトゥーン。衝撃で帽子が落ち、ディディーは屈んで拾っては被りながら不服そうに唇を尖らせて。
「そういう展開があってもいいじゃん」
「客人を巻き込むなよ……」
ネスは呆れたように溜め息を吐き出して。