第三章
「覇気が無いんだよ! 覇気が!」
トゥーンは腕を組みながらマリオを睨み付けていたが、ふと、庭の隅に佇む大きな木の傍らで、此方をじっと見張る青年に気付き、怪訝そうに小首を傾げる。
ネス、リュカ、ピチカもトゥーンの視線の先を辿っては同じように小首を傾げていたが、ただ一人、ディディーだけは青年に気付くなり駆け出して。
「ちょっ、ディディー!」
トゥーンが静止の声を上げるも、聞かずに青年の元へ向かうディディーを見て、トゥーンは溜め息を吐き出し、追いかけて。
続いてネス、リュカ、ピチカも後を追いかけ、残ったマリオは五人を遠巻きに観察。
「……好奇心旺盛だよなぁ」
「兄さんもね」
いつからそこにいたのか。
隣に立っていたルイージが、マリオの呟きにすかさず返した。目を丸くしては、ルイージを暫く見つめていたマリオだったが。
「ばーか」
ふと、短く息を吐き出すと。
「仕事と遊びは別だっての」