第三章
◆第三章『黒染めの遊園地』
「ふはー……食った食ったぁ」
「昼食まではお腹いっぱいですぅ」
すぐそこの森の中で何が起こっているかも知らずに、エックス邸から満足げに出てきたのはカービィとヨッシーである。
庭に出てすぐに二人の目に付いたのは、地面に剣を突き立ててその前で仁王立ちになっているメタナイト。カービィとヨッシーは顔を見合わせ、不思議そうに駆け寄る。
「メタナイトー?」
「どうかしたんですかぁ?」
二人は両側から、メタナイトの顔を覗き込んで。……表情は仮面のお陰で見えず。
しかし、怒っている様子はなく、寧ろ不安を感じているらしいメタナイトに気付いて、カービィは小首を傾げる。
「……戻ってこないんだ」
メタナイトは短く息を吐き出し、答えて。
――確かに、よく見れば稽古に来ているはずのロイ、マルス、アイク、リンク……名付けて剣士組の四人がいない。
仮にも大人である彼らが、集団ボイコットなんて真似をするはずがないのだが。