第二章
「わあ、惨殺? 仲間に殺されるなんて、とっても幸せな最期じゃないか」
ダークマルスが憑依したマルスは、指を絡ませて組んではうっとりと目を細めて。
「それも悪くはないが、君達以外のダークシャドウにも、肉体を与えてやらなくては。最も、私が手伝うのは前半だけだが」
ダークロイが憑依したロイはベンゼルの元へ駆け寄ると、不安げな瞳で見つめて。
「何処かに……行くの……?」
ベンゼルはロイの頭をそっと撫でると。
「私は“ダークスコア”を完成させなければいけない。その為には、世界中のありとあらゆる魂が必要なんだ……すまないな」
ロイは小さく頷き、マルスの元へ。ベンゼルはふっと小さく笑みを溢し立ち上がると、先導をするように歩き出す。
その後ろをリンク、アイク、マルス、ロイ、ゼルダの五人はついていき。ベンゼルは行進をするようにタクトを振り上げて。
「さあ」
ゆらゆらとタクトを緩やかに振りながら。
「プレリュードは、奏でられた――」