第二章
ダークリンクの全身はたちまち黒く染まり上がり、形が崩れたかと思えば一つの真っ黒な光の球体に変化して。それはリンクの真上でぐるぐると円を描きながら飛ぶと、やがて、胸の中に飛び込んで。
どくん、とリンクの心臓が大きく鼓動し、はっと目を見開いたリンクの瞳には赤黒い光が灯って。ゆっくりと上体を起こし、立ち上がるなり大きな欠伸を洩らす。
「っ……あぁ、気持ち悪ィなあ」
元在る魂を押し退けて、この体を我が物として操っているのだからあまりいい気分ではない。ダークリンクが憑依したリンクは、気怠そうに腰に片手を当てて。
ベンゼルはタクトの先端を唇に当てて何やら考え込んでいたが、何か良い案でも思い付いたのか不意にニヤリと怪しく笑うと。
「これから、エックス邸に向かうんだ」
ベンゼルはそう告げると、すっと森を抜けた先のエックス邸を、タクトで指して。