第二章
「――ダークリンク」
ベンゼルがタクトを止めて静かにその名を呼ぶと、ダークリンクはオカリナの吹き口から口を離して立ち上がり。
あれだけひっきりなしに叫び声を上げていたリンクはぴたりと静止して、ぐったりと地面の上に横たわる。
「……さすがだ」
ベンゼルはうっとりと目を細めて。
――そう。今のが“ダークスコア”の力であり、リンクに魅せられた悪夢。実際に、リンクは怪我一つ負っていないのだ。
「これからどうするんだ?」
ダークリンクは地面の上に横たわるリンクの傍らに跪くと、ベンゼルを見つめて。
ベンゼルは再び切り株の上に腰掛けて足を組むと、タクトでリンクを指して。
「とりあえず、その男の肉体は今日から君のものだ。せいぜい大切にするといい」
言葉遣いは気に入らない。
が、ベンゼルの忠実な部下と化しているダークリンクは微笑を浮かべると、頷いて。