第二章
「殺せよ」
ダークリンクは振り翳された剣の先端に触れながら、不意にくすくすと笑い出すと。
「殺せ。殺せよ。殺せ……殺せ……」
壊れたテープレコーダーのように。
「殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ……」
感情の籠もっていない機械のような声音で、何度も同じ台詞を繰り返す。それに呼応するように、リンクは何度もダークリンクの体に剣を突き立てた。
「っはは! 殺せ! 殺せよリンクゥ!」
ダークリンクは痛みを感じないのか、狂ったように笑っている。リンクは急に吐き気が催して、手を止めると、ダークリンクの胸に剣を突き立てたまま立ち上がって。
「っ違う……こんなのは、違う……」
両手で己の頭を強く押さえ、首を横に振る。そして未だ十字架に張り付けられている、ゼルダを助けるべく、歩み出して。