第二章
「あぁあっ!」
黒煙の中から放り出されたリンクは、右足の太股を火傷してしまっていた。
剣を地面に突き立て、杖代わりに立ち上がると見計らったかのようにダークリンクは駆け出してきて。リンクは痛みを堪えて姿勢を正すと、またも降り下ろされる剣を今度は斜めに構えては受け止めて。
「う、ぐっ」
踏ん張る際、どうしても右足に負担がかかってしまいリンクは小さく声を洩らす。
ダークリンクは笑って。
「良い声だなぁ、リンク。血塗られた楽譜に、組み込んでやりたいぐらいだ。例えるなら……そう。悲しい響きのバイオリン」
うっとりと目を細めるその様は、いつものダークリンクとは違っていた。
もちろん、毎日顔を合わせていたわけではないのだが。今の彼は何というか、見えない糸に吊るされたピエロのようで。