第二章
しかし、そこまでは知らないのかタブーは答えず。ルーティは小さく溜め息を洩らすと、立ち上がり、クローゼットへ。
服を取り出して着替えをしている内に、ウルフは着替え終わっていて。ルーティはウルフと肩を並べ、声を潜めてこっそりと。
「どう思う?」
スピカが怒っている理由は何となく分かったのだが、情報を聞き出したくてもあれでは当分話してくれそうもない。
となればやはりダークリンクを探すしかないのだが、リーダーを守る為にここまで出てきたのだから亜空間に戻っているはずはない。だとすれば、何処に消えたのか。
「人探しは好きじゃない」
ウルフはぽつりと呟くと、さっさと部屋を出ていってしまい。「もう!」とルーティは少しばかりの苛立ちを感じて。
「きゅうかくがすぐれているのにね」
タブーはにこやかに告げる。
盗み聞きか。そう思っていたのも束の間、聞き付けたウルフが猛スピードで部屋に飛び込み、タブーの頭を拳で殴り付けた。