第二章
「えっと……タブー?」
不意に声をかけると、タブーは不思議そうに小首を傾げて。確かに、こうして見るだけならただの可愛い少年なのだが。
「君がスピカをここまで連れてきたの?」
ルーティが訊ねている間に、ウルフはベッドの上から下りるとクローゼットを開き、着替えを取り出して。
服はいつもの黒ネクタイ付きカッターシャツと、黒のスラックス。そして黒のジャケットを着るのが普段のスタイルだ。
「ぼくじゃないよ」
タブーはようやくルーティから離れると、隣に座って足をぶらぶらさせながら。
「ダークリンクがつれてたんだ」
その発言から察するに、タブーは何処かでスピカを連れたダークリンクと遭遇したらしい。が、これだけでは何とも言い難い。
何と訊ねれば答えに辿り着けるのか。ルーティが苦悩していると、着ていたTシャツを脱ぎ捨てたウルフが。
「スピカは寝ていたのか?」