第二章
「何の知らせも無くここに来るなんて、どうかした? しかも、タブーを連れて」
タブーはあの壮絶な戦い以来、誰よりも何よりも大切にされてきた、言わば大切の塊であるルーティを酷く気に入っていた。
だからこそ、今も引き離されそうになろうがぎゅっとしがみつき、離そうとしない。
「……知るかよ」
「え?」
ぽつりとスピカが答えた。が、よく聞き取れずにルーティは小首を傾げる。
「知らねえよ。気付いたら、この部屋のベッドの上で寝かされていたんだから」
そう話しても尚、スピカは苛立っているらしく、ぐっと奥歯を噛み締めると立ち上がって。ルーティが声をかけようとしたが刹那、駆け足で部屋を飛び出してしまい。
ルーティとウルフは不思議そうに顔を見合せる。ちゃんと答えてくれるかは疑問だが、残った手掛かりは彼しかいない。