第二章
次の日の朝。
体の上に微かな重みを感じてルーティはゆっくりと瞼を開いた。まだぼやける視界の中、自分の上で寝ている男を見つけて。
「んー……重いよ、ウルフ……」
寝惚けた声でぐいと押し退けながら、のっそりと起き上がる。そして瞼を擦り、大きな欠伸を洩らすと隣を何気なく見遣って。
そこにはまだ寝ている、ウルフの姿が。
「……え」
小さく声を洩らし、自分の上で未だに寝ているその男を見つめる。紫がかかった白髪、幼い顔付き。男というよりも少年らしいその容姿に、ルーティは見覚えがあった。
ルーティが固まっていると、気付いた少年は瞼を擦りながら起き上がると。
「ん」
既に起きているルーティに気付き。
「……ふふ。おはよう、ルーティ」
見知った顔が、微笑んだ。その瞬間、ルーティは青ざめて、朝一の大声を上げる。
「ひぎぃやああぁあ!?」