第一章
次にダークリンクが目を開いた時、そこは森の中で。辺りはもうすっかり薄暗く、木の葉の間から見える空は藍色に染まって、月明かりが静かに夜を告げている。
それまで近くの切り株に腰掛けて翼を休めていたタブーは、ダークリンクが目覚めたことに気付くとにこりと笑って。
「おはよう」
ダークリンクは草地に座ったまま暫くぼんやりとしていたが、肩に担いでいたはずのスピカがいなくなっていることに遅れて気付き、慌てて辺りを見回して。
しかし、肝心のスピカは傍らで仰向けに寝かされていた。ほっと胸を撫で下ろしたが刹那、ダークリンクは頭痛に襲われて。
片手で頭を押さえ、声にならない声を上げる。タブーはくすくすと笑いながら。
「しんじゃうのかな」
全く。彼の言動は敵なのか味方なのかさっぱり分からない。ダークリンクはタブーを無視してふるふると首を横に振っては痛みを振り払うと、短く息を吐き出して。