第一章
この防壁も長くは持たない。このままではスピカを助けられないと知って、ダークリンクはキツく瞼を閉じた。その時。
「……まもりたい?」
ぽつりとタブーは訊ねて。
目を開くと、タブーはやはり相変わらずの無表情で小首を傾げているだけだった。
しかし、ダークリンクはぐっと奥歯を噛み締めると、ずいとタブーに詰め寄って。
「ああ守りたいよ! 特にこいつは……っリーダーは大切な人だからな! 死なせたくねーんだよ! それが何なんだよ!」
思ったより口調が荒くなってしまったが、タブー相手に謝る気にもなれず、ダークリンクはこの絶体絶命の状況下で気が立ったままじっと睨み付けていて。
「……たいせつな、ひと」
タブーは目を細める。
そして前方に見えるダークマリオを見据えると、瞼を閉じ、短く息を吐き出して。