エピローグ



「ばかぁー!」
「うわあっ!?」

今回、飛び付いてきたのは意外なことにローナである。やはり彼女もぽろぽろと涙を溢し、情けない顔になっていたが。

「ばか、ばか! せっかく……笑顔でお出迎え出来てたのに、ばかぁー!」
「え、ちょっ」
「涙が出るのは女の子だからだぁぁ!」

僕の目が覚めたら、いつもの日常だと錯覚させる為に笑顔で接してくれたんだ。


例え、自分がどんなに辛くても。


「ふふ、馬鹿みたいね。子供みたいに」

シフォンはローナの後ろから伝う涙を人差し指で掬うと、くすっと笑みを溢し、

「皆、泣いちゃって……」

確かに、あの瞬間から皆は大人子供と男女問わずに泣き出していた。ルーティはそんな皆を目に、くすくすと笑って。

「ははっ……皆、すっごい顔……」

ここにいる。その現実が、嬉しくて。

「ルーティ」

いつの間にか、誰もがルーティの周りに集まっていた。優しく髪を撫でられ、頬擦りをされ、そして――大好きな笑顔で。

「おかえりなさいっ……!」
 
 
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