エピローグ
「ルーティ!」
三度目。食堂に入ってすぐ飛び付いてきたのはフォックスである。ルーティは一瞬ふらついたが、苦笑を浮かべながら、
「おはよ、フォックス」
「ん、おはよう!」
朝の挨拶。フォックスが引き続き頬擦りをしようとすると、今度こそファルコに引き剥がされて。こういったくだらないやり取りはいつものことで、もはや定番――
「……、」
やっぱりおかしい。
頭ではそれがいつもの風景だと分かってるはずなのに、心の何処かで否定している。
「よお」
朝、部屋にいないかと思えば食堂に来ていたのか。ウルフはルーティの姿を見付けると歩み寄り、そう声をかけて。
「お、おはよう」
それを挨拶で返すと、ウルフはふいと目を逸らし背を向けた。何か勘に障ったのだろうか、と背中を見つめていると。
「……朝飯」
「えっ」
「まだだったろうが」