第一章
「何をしてるんだよ! 早く行けって!」
硬直しているダークリンクを横目に、ダークルイージは声を上げて。しかし、どうやらこの戦いに見惚れているわけではないらしく、ダークルイージはダークロイの薙ぎ払いを躱しつつ、その視線を辿って。
ダークリンクの視線の先には、タブーが佇んでいた。瞳の色はいつもの赤と青のオッドアイだが、じっと此方を見つめている。
……実は、ダークシャドウはあの壮絶な戦い以来、マスターやクレイジー、それにタブーからの音沙汰は皆無だったのだ。
亜空間だからこそ時々は見掛けたものの、特に話題も無いので立ち話をすることもなく、完全に仲が断たれた状態で。
だからこそ、攻撃を仕掛けられてしまう可能性が充分に有り得る。ダークルイージは思わず、顔を顰めては舌打ち。
「リンク!」
硬直を解く為に名を呼ぶと、ダークリンクははっと振り向いた。その時、ダークルイージの後ろで剣を振り翳すダークロイの姿を見つけて、咄嗟に声を上げる。
「ルイージ、後ろだ!」