最終章
「ァ、ぐ……!?」
見ればリンクの瞳はそれまで不気味に赤黒い光を宿していたというのに、右目だけが元の澄んだ青色に戻ろうとゆっくり色だけが点滅している。
彼だけではない――ルーティの目の前で剣を振り翳していたマルスはふらふらと数歩後退すると、その場に跪いて。
ルーティは不思議に思いつつも、警戒心は解かずにじっとマルスを見つめていて。
「っ……ない、で……」
ルーティは目を丸くする。
「え」
「やめ、たら……っ、く……嫌だ……!」
――もしかして。
「リム!」
ルーティは振り返る。
「リム、そのまま歌って!」
猛然と攻撃を仕掛けていたメンバーの勢いが衰えている。彼らの中で、何か変化があったのだとすれば……それは。
「悪夢から、皆を解放するんだ!」