最終章
「っ、もう来やがった」
彼女の安否を確認したいところだったが、マリオとルイージがそれぞれ片手を突き出して翳すのが見えれば、ネロは構えて。
「もう……やめましょう」
その場に座り込んだまま、ぽつりと呟くリム。ネロははっと振り返って。
「お前、またっ……何言って」
「駄目なの! 解決策が何も見つからなくて……皆を傷付けるなんて、私には」
「仕方ないことだろ!」
間もなく、マリオとルイージが炎の柱を放って。ネロも負けじと両手を突き出し、余力を注ぎ込んで炎の柱を放つ。
「ぐ……っ!」
やはり、二人相手はキツいか。
「今は頼む、我慢してくれ。そしたら」
「我慢だなんて!」
リムは頭を抱え、首を横に振る。
「後悔は後からついてきてしまうというのに! 助かる保証なんてないのに!」
圧倒的な力を前に、リムは頭の中がめちゃくちゃになっているようだった。ネロは顔を顰め、ぐっと奥歯を噛み締める。