最終章



「ありがとう! っ、にぃに!」

礼を言いつつもソニックが連続で繰り出す蹴りを躱し、振り向き様に背後に回り込んだスネークに蹴りを与えて飛び退いて、ピチカはスピカと背中合わせに。

「当たり前だろ。兄貴なんだから」

スピカはふんと鼻で笑って、ぱちんと指を鳴らす。

彼独特の漆黒の電撃がスピカとピチカの周りを囲むように地面を這って走り、やがて、外側に向かって波紋のように放たれる。

それはちょうど攻撃を仕掛けようと此方へ向かってきていたワリオとヨッシーの足を取り、失速させて。スピカとピチカは、その隙に頷き合い、駆け出す。

「くっ」

しかし、この人数だ。

ベンゼルに近付くことは許されず、此方の体力ばかりが削られる。ネロも両膝に手を付き、息を弾ませながら実の妹であるシフォンとローナを相手に、苦戦を強いられていた。小さく、舌打ちをして。
 
 
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