最終章



人間に対する罰が精神を侵す悪夢と現実世界の終焉なら、ダークシャドウに対する罰はリーダーであるスピカの敵となり、戦うということ。それが即ち、悪夢。

ダークシャドウは世界の為にひっそりと、その手で悪を絶ってきた。それが例え正義でも殺めたなら、罰に値するのだろう。

いや――今はそれどころじゃない。

「……分かった」

自分だって、今更逃げるつもりはないんだ。既に駆け出しているネスとリュカを見つめ、ピチカはぽつりと返して構える。

それぞれの想いがある。本当は戦いたくない、それは同じ。――大丈夫。


――僕だって戦える!


ネスの拳をひらりと躱し、リュカの蹴りを同じく蹴りで返す。脚がクロスし、ピチカは後方に飛び退いて両手を突き出す。

「いくよっ!」

青い電撃が両腕の上を這い、手のひらの前で青い光の玉を作り出し放たれる。
 
 
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