最終章
「ぼさっとすんな!」
援護射撃をしてくれたのはウルフである。
そんな彼に攻撃を仕掛けてきたのはトゥーンで、剣による斬り上げ、そして蹴りを繰り出してきたが、ウルフは軽々と躱し、回し蹴り。見事、クリーンヒット。
ルーティが頷いたのも刹那、頭上に影が差して慌ててその場から飛び退いた。
間もなく、デデデが振り下ろしたハンマーで瓦礫を叩き割って。思わず息を呑むそんな暇もなく、背後に気配を感じて身を翻すように躱しつつ、距離を取る。
「あーあ。残念」
「本当、すばしっこいったら」
そこにいたのはポポとナナだった。
口々に笑った後、それぞれが愛用しているハンマーを手に駆け出して。ルーティが後退しつつ構えた、その直後である。
「なっ」
両手と両足が、影から伸びた黒い鎖によって捕らえられたのだ。身動きが敵わない中、現れたのはなんとゲムヲで。
どうやら、彼が影を操り、動きを封じたらしい。しかし、これではどうしようも……