最終章
「く、」
振り下ろされたその剣をすんでのところで両手で挟み、受け止めたのはリオンである。押し返し、蹴り飛ばして構える。
「ルーティ殿!」
自分だって見惚れている場合じゃないのだ。リオンに呼ばれたのとユウの超能力が解除されたのは同時で、ルーティは横に飛び込み、槍を躱す。直ぐ様立ち上がって、
「ぐっ」
ディディーの、飛び上がりからの踵落としを両腕をクロスさせ、ガードする。
しかし、こうも連続ではガードもあっさりと崩れ、後ろによろめいたところで駆け出したドンキーに一気に間合いを詰められ、
「ッ、あ!」
下から拳で顎を突き上げられ、次いで回し蹴り。呆気なくルーティは数メートル程飛ばされたが、地面を引きずるよりも先にその体は、何者かによって受け止められて。
「けほ……っ、ウルフ……」
受け止めたのは体力温存の為、銃で離れて援護射撃をしていたウルフである。
ルーティは顔を上げて。