第一章



「……で、君は何しにここに来たの?」

今度はちゃんとテーブルの前の椅子に腰掛けながら、ルーティは訊ねて。

「別に。あんたらの後を付けてただけ」

ストーカーかよ。

ルーティが苦笑を浮かべる中、リムはというと適当に本を取ってはルーティの前のテーブルの上に重ねて置いていた。

こんなに読まされるのか、とルーティは積み重なっていく本をジト目で眺めて。

「もう。あからさまに嫌そうな顔をしないで、ルーティ。リーダーなんでしょ」

気付いたリムは短く息を吐き出して、ルーティの頬を人差し指でぷに、と突いた。

ダークリンクは暇潰しに、積み重ねられた本の内一冊を手に取り、適当なページを開いては流し目で読みながら、

「音楽家とかの本ばっかだな」

ぽつりと一言。

その瞬間、リムは不自然に笑いながらルーティから離れると、本棚の前に立って。
 
 
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