最終章
エックス邸から中央司令塔まではそれほど距離はなく、あっという間に辿り着いた。
「……ってことは」
クレイジーは入り口まで来ると扉を開き、先にルーティ達を中に入れてから自分も中へ、バリアを解除して。
「中で待ち構えてるってわけ」
「えっ」
「誰も邪魔しに来なかったろ」
ちゃんと見ろよ、と溜め息を吐き出すクレイジーに、ルーティは思わず苦笑い。
「完全に高を括ってるね」
クレイジーは小さく舌打ち。
「……行こう」
敵うはずがない。自分だってそう思う。
でも、助けたいんだ。例え無理でも、一パーセントでも可能性があるなら。
「一気に大将を潰してやりてえところだが、そうはいかねえだろうな」
ウルフは右斜め後ろ付近を歩きながら、そう語って。ルーティは小さく頷く。
――戦いは避けられない、か。