最終章
全員が朝食を終えると、数十分の身支度の後、玄関口の広間に集まった。
「言っとくけど」
先頭のクレイジーは振り向いて。
「昨日みたいに空間移動は出来ないから」
ルーティは目を丸くする。
「ジャミングがかけられているみたいで、奴らの居場所まで空間を繋げることが出来ないんだよ。元々、僕は守りに適さない、攻めのタイプだからね」
「じゃあ……一体、どうやって」
バリアに似たようなものをユウやリオンは造れるのだろうが、この人数をそれで守り切るのは厳しいだろう。頼みの綱はもはや彼だけだと思っていたのだが……
「確かに、破壊神(ぼく)は創造神(にいさん)と違って万能の盾は造れない」
クレイジーは口角を吊り上げる。
「だけど。攻め寄せる敵を拒絶し、破壊する万能の矛なら造り出せる――」