最終章



席に座って適当に話しながら待機していると、間もなくリムが朝食をお盆で運んできた。卵焼きは少しだが焦げていたり、味噌汁は具の形や大きさが不揃いだったりと、彼女の努力が悔やまれる。

「ありがとう、リム」

彼女が口を開くよりも先に、ルーティは笑った。黙っていれば、本当はリンクやゼルダが作るのに、とか言いそうだったから。

「いただきます」

合掌、箸を手に朝食に有り付く。

今でこそそういう雰囲気はないが、今日はベンゼルとの決戦の日だ。深く考えては飯も喉に通らないので、やめておくが。

……今も、皆は悪夢と戦っている。

一刻も早く、助けたい。この悲劇が幕を上げてからたったの二日や三日しか経ってないなんて……そのたった数日で、自分は大切な仲間や家族を奪われた。

取り戻すんだ、絶対に。


……大好きだった、本当の笑顔を。
 
 
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