最終章



「あ」

着替えて、ルーティがウルフと共に部屋を出るとそこでちょうどスピカと鉢合わせした。もちろん、隣にはダークウルフの姿。

「……よっ」
「ん。おはよ、スピカ」

スピカとダークウルフの服装がいつもと違うのは、誰かから服を借りたからだろう。

間違ってもリオンではなさそうだ。

「おにぃ!」
「わ、」

ルーティの後ろから飛びかかってきたのは案の定、ピチカ。しかしルーティはこうなることを予測して、抱き付かれる直前にひらりと躱す。

「ぐえ!?」

空振り、床に顔面から突っ込むピチカ。

もう何回目だろう。数えてはないが、そろそろ上手い避け方くらいは学ぶ。

「ピ……っおい! ルー!」
「だ、だって躱さなかったら怒るくせに」
「別のやり方があるだろ!」

ご立腹のスピカ。……無茶苦茶だ。
 
 
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