最終章
◆最終章『子守唄』
次の日の朝。
カーテンから射し込む朝日にぎゅっとキツく瞼を瞑って、それからルーティはゆっくりと瞼を開いた。微かな服の擦れる音に、寝惚け眼を向けてみる。
「……ぁ」
小さく声を洩らした。
ウルフが服を着替えている最中だったからだ。ルーティが瞼を擦りながらのっそりと体を起こすと、ウルフは振り向いて。
「よう。……寝坊助」
ルーティはむ、としてベッドの縁に寄せてあった目覚まし時計を手に取る。
時刻は午前八時、丁度を示していた。
「九時じゃないから早いよ……」
そう呟くと、ウルフはふんと鼻を鳴らす。
ルーティは小さく笑みを溢して、ベッドの縁に腰掛けた。立ち上がり、ウルフに近寄って見上げ、にこりと笑う。
「おはよう、ウルフ」
……とても目覚めの良い、朝だった。