第八章
「ぴっピチカ!?」
まさか彼女から抱き付いてくるとは。
ピチカが抱き付けばスピカはかあっと頬を赤らめ、慌てふためいて。それを見たダークウルフも負けじと強く抱き締める。
「にぃにいいい!」
「リーダぁああ!」
「ばっ、この、離せええ!」
幸せで、夢のような光景だった。
「わっ」
突然ウルフが頬を抓ってくるので、ルーティは驚いて。すぐに離されたが、
「っ何」
「痛かったか」
「い、」
……痛かった。
「夢じゃねえみてーだな」
ウルフは腕を組む。
部屋の外にいたネロとリオンも顔を見合せ、くすっと笑って。リムも肩を竦め笑っていたが、不意に涙が頬を伝って。
「もう」
優しく笑いかけながら。
「お帰りなさい」