第一章
そこまで口にして、ダークリンクははっと目を開いた。思わず己の口を塞ぎ、恐る恐るスピカを見つめるも一足遅く。
「……見たんだな」
ぽつり。
俯くスピカにダークリンクは思わず一歩後退するも、すぐに詰め寄られて。
「見たんだな!?」
力強く肩を掴む。
ダークルイージはやれやれと溜め息を洩らしては腕を組み、顔を背ける。ダークリンクはスピカの手を掴み、離しながら。
「見た」
スピカははっと目を見開いた。
ゆっくりと基地を振り返り、先程防壁を作って逃がしてくれたダークウルフやダークフォックスのことが脳裏を掠めたが刹那、スピカは駆け出していて。
咄嗟にダークリンクはスピカの腕を掴み、行かせまいとその場に踏み留まり。
「リーダー」
「離せ! あいつら、まだ戦ってるんだ……なのに、俺だけ助けようなんて!」
「リーダー!」
ぐっと腕を引っ張り、引き寄せては平手を振り上げる。スピカは目を瞑って。