第八章
「っ……俺、は」
「だからせめて、死なないで。生きて」
ルーティはダークウルフの背中に手を回し、縄に電気を走らせる。擦り、静電気で小さな火を起こして縄を解き、解放。
「スピカの傍にいてあげて」
ダークウルフは頷き、立ち上がるとリビングを飛び出した。ウルフは拳銃をホルスターに仕舞い、小さく息を吐き出して。
「勝手なことしやがって」
「うん。悔しいけど」
ルーティは苦笑して。
「両思いだったから」
「成る程」
「てめえは何か勘違いしてないか」
納得するリオンにウルフは呆れ顔で突っ込み。ネロは胸を撫で下ろして。
――傍にいてあげて。
「私に、出来ること」
リムは小さく呟く。
こんな自分に今、出来ることとは何だっただろう。諦めること? いや、違う。
私は……