第八章
羨ましかった。
何かを守ろうと命懸けで戦って、死ねる奴らが。人間兵器として生み出された自分らにとって、無縁の感情だった。
――リーダー。
貴方が教えてくれた。貴方が、くれた。
ただの人間兵器として生きていれば一生得ることはなかったであろうものを、沢山与えられた。初めて、命懸けになれた。
守りたいと思えた――
リーダー。
これで、少しでも貴方の未来を変えられるのなら……俺は。後悔、なんて……
「嘘だ!」
ダークウルフははっと顔を上げて。
ルーティはダークウルフの両肩を掴み、軽く揺さぶって。強い眼差しで見据える。
「そんなのは誰の為にもならない。君は、何も分かってない」
「で、も……リーダーの、未来を」
「ダークウルフ!」
ルーティは語気を強める。