第一章
「とにかく!」
ぱんっ、とダークリンクは手を叩いて。
「そもそもの原因は楽譜なんだよ! あいつをどうにかして取り払わねえと、このままじゃ世界を巻き込むことになる……」
ダークリンクの発言に違和感を感じて、スピカは怪訝そうに見上げながら。
「何で、世界を?」
するとダークリンクは溜め息混じりに。
「あの曲、初めに聞いていた時は普通だったんだが……繰り返されると徐々に音階がめちゃくちゃになって、人の悲鳴だとかとにかく奇怪な声が聞こえてくるんだ」
ふと思い出すと前奏が頭の中に流れてきて、ダークリンクは頭痛に一瞬キツく瞼を瞑って。悟られぬよう、顔を背ければ。
「こっからは俺の予想だが、あれは人間の魂を音符として楽譜に取り込み、五線譜に並べてるんだよ。だから奏でれば、人の声が聞こえてきて……悪夢を見せる……」