第八章
パンッ
銃声が鳴り響く。
今のはリビングからだ。あそこには確か、ルーティ達がいたと思うが……
「リム、行こう」
気は進まないが、銃声がした時点で只事じゃない。リムは小さく頷くと、ネロと共にリビングへ向かって駆け出した。
「離せ! 糞犬が!」
リムもネロも目を開いた。
拳銃を手にしたウルフは明らかに気が立っていて、それを後ろからリオンが羽交い締めにして留めている。
対象は恐らく、ダークウルフだ。
今は両手を後ろに縄で括られており、床に腰を下ろしている状態。ルーティはウルフの隣に、残ったクレイジーはというと呑気にソファーで寛いでいる。
「ウルフ! 少しは落ち着いてよ!」
「うるせえ!」
恐らく、彼としては洗脳されていたから無実であろう彼を許せないのだろう。
プライドの高い彼なら、尚更だ。