第一章
「情報を整理しようぜ。まず、俺から」
ようやく落ち着いてきたのか、ダークリンクは腕を組みながら話を切り出して。
「俺はレイアーゼの図書館にあった楽譜を持って帰り、トゥーンに渡した。そして、あいつは作曲をしようと前奏を奏でた」
ダークルイージは被っていた帽子を脱ぎ、髪を整えては再び被りながら。
「その前奏を耳にすると、悪夢を見せられる。そうして怯んでいる隙に、赤黒い光の玉が誰々の体に入り込み、指揮者によって操られる……と、こういうわけだよね」
スピカとダークリンクは頷いて。
指揮者は誰なのか。
それはずばりダークトゥーンなのだと、三人は口にせずとも悟った。
楽譜に記された音符を辿り、初めに曲を奏でたのは彼である。それに何より、音楽に関わることなら真っ先に疑うべきは彼だ。