第八章
「いっそ、希望を絶ってしまおうか」
もしかしたら、目覚めるかもしれない。
そんな意味も含めて、少しでも時間稼ぎになれば、注意を引き付けられればと思っていたのだが。――それだけは。
「やめろぉおお!」
叫び、拘束する手を振り解いて駆け出したのはスピカである。未だ倒れたままのルーティの元へ真っ直ぐ駆け寄り、一旦ベンゼルを振り返ってから力強く揺する。
「おい! いつまで寝てんだよ、馬鹿!」
ルーティは目覚めない。スピカは眉を顰め、今度はウルフの体を揺すって。
「ウルフ! いるんだろ! 起きろ!」
「スネーク」
突如爆撃範囲内に入ったスピカに顔を顰めたが、ベンゼルの命令には逆らえず。
「殺しなさい」
頷き、ロケットミサイルを射出する――