第八章
ばっと顔を上げて。
「僕もその罪を背負う!」
ウルフは目を開いた。
一方のダークウルフは愉快げに声を上げて笑い、一頻り笑った後で息を吐き出して。
「何処までも愚かだな」
「別に。それでウルフが助かるのなら」
「それが愚かだと言っているんだ」
ウルフは小さく舌打ち。
「てめえが抱え込んだところで、何も変わらねえ。ここから出られるわけじゃ」
「出来るよ。だからっ」
今度は、僕が伝えるんだ。
「信じて!」
――あの時と、同じように。
「パートナーでしょ!」
どくんと、心臓が鼓動して。
「っ……馬鹿野郎」
ぽつりと声を洩らしたウルフの手が、初めて、ルーティの手を強く握り返した。
「うん」
不思議と笑みが溢れて、それでも尚、走り続ける。その時、あの声が聞こえたのだ。
――おいで、ルーティ。こっちだ。