第八章
パキッ
真っ白な空に皹が入って、崩れ始めた。
地面が揺れ、思わず片膝を付く。そこへリンクが剣を振り翳して。眉を、顰めた。
「っ、な」
しかしその剣は振り下ろされることなく、留まって。戸惑うリンクを前にルーティはゆっくりと立ち上がり、後退する。
――走るんだ、ルーティ。
誰だろう。疑問を胸に、その声に従ってルーティは背を向けると駆け出した。
やがて地面がひび割れ、崩れ始める。行く先も分からないまま、ただ聞こえたその声を信じてルーティは走り続けて。
――助けたいんだろう?
「っどうして」
――おいで。こっちだ。
優しい声に導かれて、ルーティは走り続ける。やがて目の前に黒い穴が現れ、ルーティはとにかくその穴を目指して。
「貴方は……?」
――俺は、ルーティ。お前の……