第八章
「抵抗するんだ? 偽善者の癖に」
「あんたのせいでラディスは死んだんだぞ? だからあんたが死んで償うんだ」
責め立てる声に、首を横に振る。
悪夢だと知っても尚、吐き捨てられる言葉にずきずきと胸が痛む。そうかもしれない、と自嘲してしまうけど、僕は。
「嘘つき」
そんなものは、信じない。
「何、言って」
「皆本当は苦しいんでしょ? 助けてほしいんでしょ? 悪夢が、怖いんでしょ」
ウルフは顔を顰めて。
「勘違いすんな! 自分の都合が良いように解釈して、慰めか? この糞が」
「そうだよ」
こんな僕だけど。
前に進まなきゃいけないんだ。深く考えすぎて、殻の中に閉じ籠もるのはやめた。
「僕は自分に都合の良い言葉しか信じない。だから僕は、自分を信じて、君達に」
それでも、辛い。
だけどそうしなきゃ前に進めないというのなら。結果、何かが変わるのなら、僕は。
「これから酷いことをする」