第八章
もう、何度目になるんだろう。
「あっはっは! 情けねえ顔!」
「ねえ、次はどうしようか」
与えられた激痛に悲鳴を上げても、次に目を覚ませば皆が笑っている。ぺたりと座り込んだ僕を見下ろし、笑っている。
真っ白だったこの世界も、嘘じゃないと証明するように赤く染まっていく。ああ、自分の血はこんな匂いなんだと気付いた。
ふと、自嘲する。
――僕が死ねば皆が笑ってくれるんだ。
生まれてこなければよかった。戦士になんかならなければよかった。僕は、どうしてまたここにいて、生きているんだろう。
「おら、顔を上げろ」
「ん、ぐッ」
ウルフがルーティの髪を鷲掴みにし、顔を上げさせたところで口に銃口を銜えさせた。初めこそ、恐怖に身を震わせたが。
――もう、慣れちゃった。
大好きな皆の笑顔が見れる。それでいい、それでいいと心の中で言い聞かせながら。
頬を伝い、涙が零れ落ちた。