第七章



大ホールの扉がゆっくりと開かれた。

エックス邸の中を隈無く捜したが、人影一つ見当たらず。結局、一番怪しいと踏んで残しておいた大ホールに訪れた。


「ほう。まだ残っていたとは」


リム、ネロ、ユウ、リオン、クレイジーの五人を出迎えたその声の主は、まさしくベンゼルだった。といっても、彼らが本体を目にするのは初めてだったのだが。

「全く、しぶとい生き物よ。捜し物かね」

大ホールには行方知れずだったX部隊メンバーが一人残らず此方に注目していたが、すぐに駆け寄ろうとはしなかった。

「……馬鹿ではないらしいな」

ベンゼルもぽつり、と呟いて。

その時、ホールの中心に横たわる二つの影を見つけて、リムははっと目を開いた。

「ウルフ……ルーティ……!」

そんな、まさか。

信じたくはないが、あれが戦った結果なのだろう。リムは口元を両手で覆って。
 
 
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