第七章



奴の喉元に銃口を突き付けてやれば、戦況は百八十度変わる。

ウルフは一気にベンゼルとの距離を詰めると、まずは蹴り払って。しかし、そう簡単に此方側の思い通りになるつもりはないのか、ベンゼルはひょいと攻撃を躱す。

「くっ」

スネークの投げ付けた手榴弾が小爆発を起こし、煙が辺りを覆って。その隙にソニックが目の前に飛び込んでくるのだからたまらない。ウルフは顔を顰める。

「手間かけさせないでちょうだい」

ソニックが攻撃を仕掛けるよりも先に地面が揺れ、ウルフの真下から床を割って巨大な蔓がウルフを乗せ、伸びて。

何とかと豆の木かよ、なんてくだらない突っ込みは心の中に仕舞い込んで、煙の外にベンゼルの姿を見つけると、ウルフは蔓の上から飛び降り、再び間合いを詰める。


「っ、ん……」

その頃、壁際で寝かされていたピチカの意識が戻った。まだ、頭が痛いがどうにか動ける。ピチカはゆっくりと瞼を開いて。
 
 
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