第七章
「まさか手こずっているのかしら」
シフォンである。今しがた駆け付けたのか、ホール入り口からの援護。ウルフは振り向き、その姿を目に小さく笑みを溢して。
「どいつもこいつも」
正義は遅れてやって来る、ってか。
X部隊メンバーの体を乗っ取ったダークシャドウとの戦闘、一人ともなればもはやここまでと思っていたが……どうやら。
自分も追い風に乗ってきたらしい。
「他ん攻撃は俺らが止める! せやからウルフ、お前は敵の大将を叩け!」
アイクを力で押し返し、よろめいたところを回し蹴りで蹴り飛ばしてからウルフを振り返り、声を上げる。
心強い台詞だ――んなの分かってる、とばかりにウルフは敢えて黙ったまま、通すまいと行く手を遮ってくるクッパやガノンドロフの間を縫って、ベンゼルの元へ。