第七章



「なんや。お化けが出たみたいに」

その男の正体はドンキーだった。

あの後リビングを飛び出してから行方知れずで、てっきりダークシャドウの誰かと交戦中か、或いは、とまで考えていたが。

「っは」

ウルフは正面から向かってきたロイの一太刀を剣を交えて受け止めると、

「取り憑いてくれるなよ」

そうからかって、力強く押し返す。

ロイが後方にふらついた隙に一気に間合いを詰め、薙ぎ払い。結果、ロイの構えていた剣は弾かれ、くるくると宙を舞って。

ロイの喉元に剣先を向け、さてどうするかと睨んでいたのも束の間、またも背後から今度はリンクが剣を振り翳す。

「そう何度も何度も」
「同じ手は通用しないのだわ」

何者かがウルフの台詞を遮り、間もなく、床を突き破って現れた蔓がリンクの体に巻き付き、動きを制した。――これは。
 
 
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