第七章



対して剣術を学び、扱いに長けているロイの剣に同じく剣で対抗するのは、あまりにも無謀だった。気付けば防戦一方で、次第に息も上がってくる。

それでも何とか剣を薙ぎ払うことでロイは後方に飛び退き、距離が開く。浅く呼吸を繰り返し出方を窺っていたのも束の間、頭上に影が差して。はっと目を開いた。

「っち」

小さく舌打ちを溢し、目を向ける。

飛び上がり、剣を振り下ろすアイクがそこにいた。ゆっくりと振り返る。全ての動きがスローモーションで映し出された。

間に合わない――


「何や。楽しそうなことしとるやないか」


この、声は。

振り返ったウルフの前に飛び出し、アイクの振り下ろした剣を両手で挟み、受け止めた男がいた。今度もウルフは目を開いて。

「てめえ……」

ぽつり、声を洩らす。
 
 
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