第七章
すっと前に出てきたロイが銃弾を飛び上がって躱し、後ろのマルスは剣を力強く薙ぎ払い銃弾を弾いて。
ウルフの目の前に舞い降りたロイが剣を薙ぎ払い、ウルフはすかさず後方に飛び退く。が、続いて飛び出してきたマルスの剣撃が休む暇もなくウルフに襲いかかる。
「っ、く」
右へ左へと体を傾けては舞うように躱していき、最後、目前に突き出された剣を間一髪両手で挟んで受け止めて。
柄を握るマルスの手を爪先で蹴り上げ、手放したところで真上に剣を放る。
宙でくるくると回転したそれはウルフの手に戻り、背後から襲いかかってきたロイの剣を振り返り様に受け止めて。
「ほう。面白い、器用な狼だ」
感心したようにベンゼルは呟くが、正直ウルフは剣の扱いに長けていない。
とはいえ、大乱闘ではビームソードというアイテムもあり、乱闘中に使う機会はいくらでもあった。だから、使いこなせるかといえばもちろん、そうではないのだが。