第七章
間違いない。
恐らくはフォックスがダークシャドウに敗れ、ダウンしてる隙に憑依したのだろう。
「ベンゼル様は優しいんだぜぇ?」
フォックスはへらへらと笑って。
「どんなにボロボロになった脱け殻も、俺達の為だけに修正してくれる……」
となれば、この体に傷を付けるわけには。
「喋りすぎじゃあありませんか?」
はっと顔を上げれば、ダークファルコとダークウルフがそこにいた。銃を向けようとしたが刹那、フォックスが拳でウルフの顎を突き上げ、怯んだ隙に下から抜けて離れた場所に落ちた銃の元へ駆け出す。
「くっ」
させるものか、とすぐに拳銃を構えるがそれよりも早く、ダークウルフが発砲した銃弾により、ウルフの拳銃は弾かれて。
「っと……危ない危ない」
フォックスは拳銃の回収に成功し、銃口を向ける。その時、ようやくファルコはピチカを床に寝かせたまま立ち上がって。