第七章



「ゃッ」
「落ち着け! まだやられたわけじゃ」
「いやあぁあ!」

刹那、ピチカの体から稲妻が放たれて。

ファルコが思わず手を引っ込めた隙に、ピチカはリビングから飛び出す。シフォンもドンキーの手を振り払い、追いかける。

「あっ、こら!」

ドンキーは振り向いてウルフを見遣ったが、彼が何も言わないのを見ると急いでリビングを飛び出し、二人の後を追って。

「逝ったか?」
「誰が」

手首を摩るファルコに訊ねるウルフだったが、余計な心配だったようだ。ファルコは立ち上がると左右のホルスターからそれぞれ拳銃を取り出し、ウルフを振り返って。

「援護は頼んだ」
「はっ、知るか。勝手にくたばれ」
「……化けて出てやっからな」

ファルコはウルフがホルスターから拳銃を取り出したのを確認すると、駆け出した。
 
 
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