第一章



その時、前方から赤黒い光の玉が飛んできて、ダークリンクは後退して躱し。

次々と飛んでくる赤黒い光の玉をステップを踏むようにして躱し、前方を睨み付ける。すると、現れたのはダークピット。

瞳は赤黒い光を怪しく灯し、彼はもう悪夢に囚われたのだと悟り。その時、ダークピットは不適な笑みを浮かべると武器である弓を真ん中で真っ二つに分離して双剣に変形させ、それを構えて駆け出してきた。

「くっ」

突き攻撃は右へ左へ体を反らしながら躱し、下から上へ切り上げられれば後退。

しかし、ダークリンクの後ろには壁のように赤黒い光の玉がびっしりと待ち兼ねていて。下手に退けば自ら悪夢の餌食、ということか……ダークリンクは笑って。

「冗談じゃねえぜ」

後ろからも来たということは、防壁も破られたということ。ダークリンクは分の悪さに、思わず舌打ちをして。
 
 
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